看護師は他の職種よりも給与が高い傾向にあります。しかし平均年収は491万円ほど（月収33万円、ボーナスが85万円）であり、看護師が600万円以上を目指すには、年収アップのポイントをしっかりと押さえなくてはなりません。
本記事では、年収600万円以上の企業へ転職するために必要な給与アップに関わる基礎知識から、実際の転職先探しに役立つ8つの具体的な方法まで詳しく解説します。年収600万円以上の看護師を目指すヒントとして、ぜひ参考にしてください。
年収600万円以上の給与アップを目指すためにはどのような点に着目すれば良いのでしょうか。やみくもに転職サイトで求人を探すのではなく、まずは企業がどういった人材を高く評価しているのか、給与決定の仕組みはどうなっているかなどを理解することが大切です。
年収600万円以上の看護師になるために知っておくべき2つの基礎知識をお伝えします。
年収600万円以上を目指す際は、企業が看護師のどのような点を評価して給与を決定しているのか理解することが欠かせません。
日本看護協会が2012年と2017年に実施した「病院看護実態調査」の「基本給の決定基準・要素の経年変化」によると、2012年時点では、勤続年数を重視するという回答が全体の34.4％あったのに対し、2017年には29.1％に下がっています。一方で能力や職務を評価するという回答が2012年15.5％から2017年は19.7％まで上がっていました。
＜看護師の基本給の決定要素の変化＞
| 基本給の決定要素 | 2012年調査 | 2017年調査 |
| 年功のみ | 34.4％ | 29.1％ |
| 年功・能力 | 5.9％ | 7.2％ |
| 年功・職務 | 19.7％ | 20％ |
| 年功・能力・職務 | 15.5％ | 19.7％ |
ここから分かる通り、近年は勤務年数で評価する年功序列の考えから、看護師の能力や与えられた職務に対する成果も合わせて評価する傾向へと変化しています。長く務めあげれば給与が自動的に上がることは少なくなってきているのです。そのため、給与アップのために医療技術を磨いたり、さまざまな患者さんの対応をして経験値を積んだりすることが求められます。
今後も、時代の変化とともに企業の評価基準は変化していきます。その都度、ご自身の在籍企業の給与決定基準や評価基準を理解して、基準に沿った努力をしなければ給与アップを狙うことができないと覚えておきましょう。
年収600万円以上を目指すためには、企業ごとの給与体系についても理解を深める必要があります。
多くの企業では
・基本給
・各種手当
・職能給
・残業
上記4つの項目を合計して支払う給与体系を採用しています。しかし、転職サイトごとに募集要項の給与欄の書き方はまちまちであり、基本給を軸に記載している場合もあれば、残業代や手当を含んだ給与を記載するケースもあるのです。
したがって、ご自身で求人を見る際は、基本給はいくらなのか、記載給与に賞与や手当はどの程度含まれているのかなど細かく確認することが大切です。十分に給与体系を理解しないまま転職してしまうと、思っていた給与額を支給されなかったというトラブルになりかねません。
ただし求人の見方がわからない方は多いため、給与欄を1人で確認するのが不安な場合は、ナースバンクのような看護師向けの転職エージェントを活用するのもおすすめです。
ここからは、より具体的に600万円以上の年収を目指して転職活動を行う8つの方法を解説します。求人情報の見方や給与アップのために身につけるべきスキル、狙い目の職場の見つけ方まで、幅広い内容をご紹介していきます。
1つ目にご紹介するのは、看護師の中でもオペ室での勤務を求める求人や、資格保有者や夜勤勤務者に給与を還元する管理職系の求人を狙う方法です。
東京都墨田区にある病院の求人例
| 勤務形態 | 正社員 |
| 資格 | 正看護師 |
| 勤務時間 | 日勤と夜勤の2交代制 |
| 月給 | 304,400円（夜勤2回の場合）
354,400円（夜勤4回の場合） |
| 月給内訳 | 基本給：191,200円
正看護師手当：30,000円 調整手当：16,000円 物価手当：17,200円 夜勤手当：25,000円×2回～4回 |
| 賞与 | 573,600円 |
| 年収 | 4,226,400円～4,826,400円 |
埼玉県入間市にある病院の求人例
| 勤務形態 | 正社員 |
| 資格 | 正看護師 |
| 勤務時間 | 9:00-17:00と16:30-9:30の2交代制 |
| 年収 | 600万円～ |
| 月収 | 370,000円～ |
この2つの求人のように資格や夜勤手当を手厚くしている管理職向けの求人は、比較的600万円以上の年収を狙いやすいでしょう。
2つ目に、給与や待遇に関する条件交渉のスキルを身につけることが挙げられます。
看護師求人の中には、「給与応相談」と書かれていたり、「450万円～750万円」と給与レンジに幅があったりするケースが多くあります。
提示されている給与額に幅がある求人は、面接のときに候補者のスキル・強みなどを見極めて給与額を決めることが多いです。つまり、面接の際にご自身で強みをしっかりアピールしたり、前職給与を伝えながらロジカルに給与額アップの交渉を行ったりしなければならないのです。
とはいえ、転職活動の経験がある人や、交渉ごとに慣れている人でなければ、給与交渉を優位に進めることは難しいでしょう。交渉に自信がない方は転職エージェントに頼ってみるのもひとつの手です。先ほどご紹介した看護師向け求人を専門に扱うナースバンクも、転職時の給与交渉を代行してくれます。
看護師の転職・アルバイト求人情報【MRTナースバンク】
3つ目の給与アップの手法としては、看護師以外のスキルを評価してくれる職場を探すことです。
例えば、美容看護師は販売や接客に関するスキルが高く評価される傾向にあります。看護師として臨床スキルを高めるだけでなく、他のビジネススキルを磨いてキャリアアップするのも1つの手段として有効です。ただし、美容看護師の場合は、インセンティブや報奨金を獲得しなければ年収600万円に到達できない場合もあるため、求人ごとに条件確認をしましょう。
美容看護師の仕事内容やインセンティブ制度、給与について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
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高収入を最優先に考えるのであれば、コロナ病棟で働く選択肢も頭に入れておくとよいでしょう。半年や1年間、夜勤専従という条件の限られた求人とはなりますが、月給50万円以上での求人募集も見られます。期間は限られていますが、正社員として働けて社会保険なども整っているため、事情があり長期的に働くことが難しい場合には選択肢として検討の余地はあるでしょう。
夜間勤務のある病院を選んで年収600万円以上を目指すのも代表的な手法です。夜間帯の22時～翌5時までに勤務すれば、通常の給与に25%分の割増賃金を受け取れます。
また、夜間勤務の手当を支給する病院であれば、さらに金額が上乗せされるので、合計の給与はもっと増えます。体力に自信のある人であれば、夜間勤務手当に焦点を当てて求人を探してみてはいかがでしょうか。
年収600万円以上にこだわりたい場合は、高収入求人に強い転職エージェントを活用するのも、目的達成の近道です。ハローワークや一般的な転職サイトで、高収入求人を見つけるのは手間がかかります。そもそも高収入の求人は非公開となり一部の転職エージェントが保有している場合もあります。
転職エージェントへの登録や相談は無料なので、気になる方はまず登録して、情報収集を積極的に行うことをおすすめします。
600万円以上の年収を実現するために、一定の実務年数を重ねる手法もあります。
2020年に公開された日本看護協会調査研究報告の病院看護実態調査によると、10年ほど同じ職場で働いた看護師は、平均5万円ほど新卒時の給与から金額がアップしています。
看護師は能力・職務の評価が重視されるように変化してきている一方で、まだまだ年功序列での勤務年数に対する昇給も行われているのは事実です。長期的なスパンで年収600万を目指すのであれば、1つの職場で長く勤務するのも良いでしょう。
慌てて転職ばかり考えず現職でしっかり経験を積むことで、さらに高い年収が得られることもあります。実際に転職を行う前に、自身の人生設計と照らし合わせながら最適な方法は何か考えておきましょう。
年収600万円の看護師を目指す方法として、看護師長や看護部長などの役職を目指すルートも挙げられます。ただし看護師長や看護部長は限られたポストとなるため、ただ漠然と目指しても役職に就くことは難しいです。
「看護師長、看護部長になり、後輩の育成に力を入れたい」
「看護師長のポジションで職員をまとめ、チームワークのある職場づくりをしたい」
など、ご自身の意欲をアピールしながら管理系ポジションを目指すことが大切です。仕事に対する姿勢や意欲を含めて評価されれば、給与アップを狙える場合もあります。
年収600万円を超える高収入求人をお探しの方は、「NOSnaJOB 」の利用を検討してみるのもおすすめです。NOSnaJOBでは、2021年10月現在、非公開求人263件掲載されており、年収600万円以上の求人も公開しています。
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