看護師の転職では、人間関係や労働条件などについて不安を抱える人は多いものです。一方で、不安への対処法を知ることで転職への第一歩を踏み出せることも少なくありません。
今回は、看護師の転職でよくある不安と対処法、失敗しない職場選びをまとめて紹介します。「転職すべきか悩んでいる」「転職したいけど不安がある」という人は、ぜひ参考にしてください。
によると、仕事を辞めたいと思っている看護師は全体の約7割に及びます。さらに、日本看護協会「2020年病院看護実態調査報告書 」によると、2019年の正規雇用看護職員の離職率は11.5%でした。
以下は、看護師の仕事を辞めたい理由についてまとめたものです。
看護師は、超高齢化社会に突入する日本において、超売り手市場の職種の1つです。仕事を辞めたいと思う人が多くいる一方で、一定数の求人数があることから福利厚生の充実や賃金アップを求め、実際に転職に踏み切る人が多いといえるのではないでしょう。
それでは、看護師の転職で多くの人が感じやすい5つの不安について紹介します。
それぞれの具体的な解消法や乗り越え方を確認し、転職活動につなげましょう。
仕事を辞めたいと考えていても、本当に転職すべきか自分では判断できないことがよくあります。「今以上によい条件の職場が見つかるのか」「もう少し頑張ったほうがよいのではないか」「転職先でやっていけるのか」などと考え、踏みとどまってしまうケースも少なくありません。
まずは、抱える不満や悩みを今の職場で解決できないか、検討するのがおすすめです。
職場が変わっても、現在抱える不満や悩みに再度直面してしまうこともあるでしょう。現在の職場に不満があるからと勢いで転職した結果、さらに悪条件の職場に入ってしまったというケースも実際にあります。不満や悩みを書き出し、「異動を申請する」「雇用形態や働き方の変更を相談する」など、転職以外の解決方法がないのか検討してみましょう。
転職すべきか判断できずに迷っているときは、自分のニーズを満たす職場があるか確認するのもよいでしょう。
実際、自身の希望条件にマッチする職場が見つかったことで、転職に迷わず踏み切れたというケースも少なくありません。自分に合う求人が多数あるのであれば、「転職」も悩みを解決する選択肢となります。
メディカルサポネット「看護師白書2019年度版」 の調査では、「入職する前に不安に思ったことは?」という質問に対し、「職場の上長やメンバーとなじめるか」という回答が71.6%と最多でした。
人間関係の不安は多くの人が抱える悩みです。転職を考えていても、職場の人間関係がネックとなり、行動になかなか移せないことが多いといえるでしょう。
人間関係に不安がある場合は、内情が事前に分かる職場への転職を検討しましょう。
大学や専門学校時代などの知り合いに職場の話を聞いたり、職場見学に行ったりすることで、実際の職場の様子を知ることができます。職場の雰囲気はもちろん、働くスタッフや患者さんの様子を見れば、転職するかどうかを決めやすくなるはずです。
新たな就職先では、挨拶や勤務態度など基本的なところから始めて、馴染もうと気を張り過ぎないことも重要です。
職場に無理に馴染もうとすると、不審がられたり、かえってストレスになったりすることがあります。徐々に自分自身を知ってもらえるよう、まずは目の前に業務に集中することを心がけましょう。
勤務時間や残業時間、休日休暇、給与、福利厚生などの労働条件や職場環境にギャップがないかと不安を抱く人も多くいます。実際に、「看護師白書2019年度版」 によると、44.9%の人が「勤務時間・休日休暇などが想定通りか」という不安を感じています。
職場の労働条件や職場環境については、求人に記載されていた内容と実際の条件が異なるケースも多く、特に多くの人が抱えやすい不安といえるでしょう。
看護師専門の転職サイトを使うことで、入職前後のギャップを防止できる可能性があります。
入職前後のギャップは受け入れ側に問題がある場合もあり、求職者側では対策が難しいところでもあります。一方で、看護師専門の転職サイトであれば、業界特有の事情や紹介する職場の内情に特に精通していることから、利用者は職場を十分に理解した上で求人に応募できます。結果的に、ギャップが生まれにくくなるといえるでしょう。
職場の譲れない条件については、転職サイトのスタッフや応募先の人事担当者としっかりすり合わせておくことが重要です。
「クリニック勤務」「通勤時間○時間以内」「夜勤NG」「基本給○円以上」「残業なし」など譲れない条件は、人によって異なるものです。自分の譲れない条件をしっかり伝えることで、希望に沿った転職が実現します。
自分の経験やスキルが、新しい職場で通用するのか不安や緊張を抱える人も多いようです。
特に、経験がまだ浅い20代は、自身のスキルに自信を持てないといった悩みを抱えやすい年代です。また、20代・30代で育児や介護で退職し、ブランクがあるという人も、知識や技術のアップデートができず、経験やスキルに悩みやすいといえるでしょう。
自分の経験やスキルに不安がある人は、教育制度が整っている職場を選ぶのもおすすめです。
教育制度には、経験を積んだ先輩看護師が新人をマンツーマンで指導する「プリセプターシップ」や、各病棟で一定期間研修を受ける「ジョブローテーション」などさまざまあります。就職説明会や転職サイトなどで教育制度の内容を確認し、充実した教育システムが組まれている職場を選ぶとよいでしょう。
スキルアップやキャリアアップを目指して転職をするのも、不安を解消する有効な手段です。
知識不足・ブランクがあっても、セミナーに参加すればで最低限の知識や技術を学ぶことができます。あえて、経験したことのない科に転職するのもよいでしょう。高みを目指すのであれば、認定看護師・専門看護師・ケアマネージャーなどの資格取得を目指せる職場がよいでしょう。自身の目標を明確にすることで、ポジティブな気持ちで転職活動ができるはずです。
結婚・出産・子供の進学など、人生の転機をきっかけに、現在の働き方に不安を覚える看護師は少なくありません。さらに、今の職場が忙しすぎて、体力的に仕事とプライベートの両立が難しいと感じる人も多くいます。
しかし、転職したからといって全ての悩みが解決されないこともあるため、なかなか転職に踏み切れない現状があるようです。
夜勤・残業が少ない職場を選ぶことで、プライベートな時間を持ちやすくなります。
まずは、求人票に、夜勤の有無や残業時間が具体的に明記されているか確認しましょう。ただし、求人票に記載された残業時間は病院内の平均ということもあるため、入職する科での残業時間を確認することも重要。転職サイトの口コミ・SNSを調べたり、職場見学を希望したりするのも効果的です。
慢性的な人手不足に悩まされる職場は、「休日がとりにくい」「残業が多い」といった可能性があります。そのため、仕事とプライベートを両立させるには、できるだけ人手不足の状態にない職場を選びたいものです。
下記のような職場は、人手不足の可能性があるため要注意。
最後は、実際に看護師の転職を成功に導く4つのポイントを紹介します。
転職活動で意識することで、自分に希望に合う職場に応募できるようになります。
看護師の転職を成功させるには、幅広い情報収集が必要不可欠です。情報収集が足りないことで、職場の抱える問題や希望条件のミスマッチに気付かず、後悔するケースも珍しくありません。
興味のある求人については、病院の利用者の声・働くスタッフや退職者の口コミなどできるだけ多方面の情報を集めるのがポイントです。異なる視点の情報を集めることで、総合的な判断ができるため、入職後にギャップを感じにくくなります。情報収集には、転職サイトや企業の口コミサイト、SNSなど、複数の媒体を活用しましょう。
転職活動を行う前に、看護師としてのキャリアとプライベートの両方について、長期的なライフプランを立てましょう。次の職場に求めることや、これから実現したいことがはっきりとするため、転職活動がスムーズに進みます。
ライフプランを立てるときは、まず自己分析から始めましょう。自己分析では、自分の「好き・嫌い」「やりたい・やりたくない」をそれぞれ書き出し、その理由を具体的に考えてみてください。Web上にある自己分析ツールを利用するのもおすすめです。
自分が職場に求める条件や、やりたい仕事内容を100%満たす職場を見つけるのは困難です。そこで、転職を決めたら、希望条件や携わりたい仕事に優先順位をつけましょう。優先順位があることで、転職活動の軸となる譲れない条件や妥協できる条件をはっきりさせることができます。
優先順位をつけるときは、譲れない条件のハードルを上げ過ぎないよう配慮が必要です。たとえば、「病棟の常勤看護師」と「交代制勤務なし」の両方を満たす求人を見つけることは難しいもの。求人が見つかる程度に調整しましょう。
採用側のニーズに自身のニーズやスキルが合致していないことで、転職が上手くいかず、再度転職が必要になるケースもあります。特に、求めるスキルや報酬、待遇面ではミスマッチが起こりやすいため求人票や面接で要確認です。
また、「現場の職員が面接に参加する」「採用条件や求める人材について具体的に教えてくれる」といった求人は、ミスマッチが起こりにくくなります。単に人手不足を解消したいだけの職場なのか、理想の人材を見極めて採用したい職場なのかも注目のポイントです。
看護師の転職には不安がつきものです。今回の内容を参考に、不安を乗り越え、ぜひ転職を成功させてください。
「転職するか決められない」「不安が解決できていない」という人は、看護師専門の転職サイトに相談してみましょう。看護師転職の専門家だからこそ、希望に沿った案件の紹介や理想の看護を実現する転職をサポートしてくれるはずです。転職活動で悩みがちな、履歴書の添削や面接練習をしてくれる転職サイトもあります。
便利なサービスも使いつつ、自分らしい働き方を見つけてください!